平均寿命、健康寿命、幸福寿命

 最近厚労省から公表された「健康寿命」は男女とも静岡県が第一位(男性は7375歳、女性は7668歳)だそうです。平均では、男性は7257歳、女性は7545歳で、19年の前回調査から男性は011歳短くなり、女性は007歳延びました。コロナ感染症で「平均寿命」が短縮し男性では「健康寿命」も短くなったと説明されています。「健康寿命」とは健康上の問題で日常生活を制限されずに過ごせる期間のことで、平均寿命との差は「不健康な状態で過ごす期間」と想定され、厚労省はこれをできるだけ短縮すべくさまざまな方策を練っています。「健康寿命」は3年ごとに公表され、今回のデータでは平均寿命と健康寿命の差は男性で849年、女性で1163年で、共に前回(男性873年、女性1206年)より短くなりました。健康意識の向上、生活習慣の改善、等々意識改革の賜物ではないでしょうか。

 Nice Beat 浜松、オアシスクリニックは利用者各位や地域の方々の「平均寿命」「健康寿命」の増進を理念に掲げて活動しています。本邦における死亡率で「がん」と並んで上位を占める「心疾患」や「脳血管疾患」は生活習慣病が発症の基盤となっており、脂質異常、糖代謝異常、高血圧、肥満を解消することでその発症率を格段に下げることが可能です。オアシスクリニックに健康診断で来院される利用者さんが運動や食事習慣の改善で数値が改善することは、職員にとって大変大きな喜びであり励みです。またNice Beat 浜松の利用者さんが日々のトレーニングにより、体組成が改善したり健康診断の結果が改善することも、職員にとって大きな喜びになっています。これからも利用者の皆さんと一緒に健康増進に関わることができればと願っております。

 「健康寿命」という言葉に少し違和感を感じることがあります。「健康寿命」は国民生活調査で「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という質問に対して、「ない」という回答を「健康」とし、「ある」という回答を「不健康」として計算されています。他にも、「日常生活動作が自立している人」を対象とするという定義もあり具体的には介護保険において要介護2 以上の認定を受けていない人を健康とみなす方法もありこれを第3 の健康寿命として提唱しています。オアシスクリニックでは多くの患者さんに通所や訪問でのリハビリを提供しています。その中には上記の定義で「健康」に分類されない患者さんがいます。定期的に面談させていただいておりますが、多くの方が理学療法士や作業療法士、またご家族の支援のもとリハビリに積極的に取り組まれて生活の質が向上しています。困難な中でも元気に前向きにリハビリされておられ「不健康」とは思えません。

 現在非常勤で関わっている静岡社会健康医学大学院大学は「健康寿命」の増進を目指して設立された県立の大学院大学で、健康に関わる研究の推進と医療施策への還元が主な役割です。副理事長の伊藤裕慶應大学名誉教授は「幸福寿命」という言葉を提唱されています。元気に前向きに生活している期間は「幸福寿命」として捉えたいですね。皆さんと一緒に「幸福寿命」の延伸に尽力したいと思います、自身の幸福寿命も含めて・・・。

 良いお年をお迎えください。                浦野哲盟 

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